明治文明開化の掛け声とともに、一気に広まった洋食文化。あんぱん、カレー、とんかつ、そしてコロッケ。
さて、そのルーツは一体どこにあったのでしょうか?少し歴史をひも解いてみましょう。
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諸外国の食文化の流入
明治の文明開化とともに、諸外国からさまざまな文化が入ってきました。
特に食に対する西洋料理、肉食を中心とした新たな食文化は、当時の日本人にはものすごくカルチャーショックだったようです。日本では、仏教伝来に伴う食肉禁止令とともに、庶民においては1000年もの長い間、獣肉は口にすることがなかったもの。
庶民の食生活は、自分が住んでいる身の回りで採れる米、野菜、果物(場所によっては魚や貝)を中心とした質素な食生活でした。まさに四里四方に病なし、住んでいる地域からおおよそ16km四方ぐらいで採れるものを食べていたんですね。(ただ上流階級では、狩りで仕留めたきじや鹿などの肉を、何かと理由を付けて食することはあったようです。また、長崎の出島では、オランダ人が持ち込んだ牛肉を興味津々で口にすることもしばしばだったとか。)そういう長い食文化の中に、牛肉を中心とした食文化が入ってきたのですからびっくり仰天となったのでしょう。
でも、そこで日本人は、自国の食文化にあったものとして、西洋料理を日本流に「洋食」として改良し、新たな食として取り込んだのでした。
米が好きな日本人は、白米に合うおいしいメニューを次々に生み出しました。
とんかつ、カレー、シチュー、ハヤシライス、牛めし(今でいう牛丼)などなど。。。その中の庶民の味として、惣菜の王様、コロッケが誕生したのでした。
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コロッケの誕生
ルーツは、フランス料理の前菜の一つである「クロケット」であるといわれています。
じゃがいもは安土桃山時代にオランダ人により長崎に伝えられたといわれています。
ただ日本人の好みは、甘みのあるさつまいもに人気があり、あまり普及はしなかったようです。明治維新になり、様々な西洋料理の情報が入ってくるようになりました。
フランス料理の主に前菜として登場するクロケットが、そのルーツといわれています。 (ただヨーロッパ各地には、コロッケといえるものがたくさんあり、スペインのクロケタスやポルトガルの干しだらのコロッケ、日本並みに庶民の味としてコロッケが普及しているオランダ、ライスコロッケが有名なイタリアなど、そのどれもが起源にはなっているのでしょう)
一説として、フランス料理のクロケット(ホワイトソースがベース、いわゆるクリームコロッケ)を、日本人の好み合うじゃがいものコロッケに作り変えたのがそのルーツ、とも言われています。
大阪の肉屋さんで、初めてじゃがいものコロッケが売り出されたのが最初であるとか、銀座の資生堂パーラーで料理として提供されたのが初めてとか、諸説あるようです。そして、コロッケの語源ですが、上記のクロケットから来ているといわれています。
①フランス語の擬音語「クロック」 (パリパリと音がする:衣を噛んだときの音でしょう)
②クロケットの形がスポーツのクロケットの道具の先に似ている
クロケットを早口で何回も言ってみてください。
クロケット、クロケット。。クロッ ・・ コロッ、コロッケ、コロッケ!あら、コロッケになりませんか?やはりこれが日本のコロッケの語源のようですね。
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庶民の味として普及
コロッケが世の中登場し、また料理本などに紹介され始めたものの、庶民にはやはりまだあちゃらのものという感覚があったのでしょう、それほどすぐには普及しませんでした。
このコロッケを一気に世の中に広めたきっかけになったのが、『コロッケの唄』の大流行があったようです。
益田太郎冠者の作詞で帝国劇場で上演された『ドッチャダンネ』という笑劇中の一曲があったそうですが、ワイフ貰って嬉しかったが、・・・・
今日もコロッケー、明日もコロッケー 是じゃ年がら年中コロッケー・・それまで庶民の口には縁の遠かった西洋料理の名前の一つ、コロッケを日本中に広めた記念すべき唄であるそうです。
その結果家庭惣菜として巷の揚げ物屋にコロッケが並ぶようになったんだとか。そして、現在でも惣菜の人気ランキングならびに冷凍食品製造量とも、コロッケが堂々と第一位の座に輝いています。
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弊社のコロッケ
弊社のコロッケは、素材の味を出来る限り生かせるように、自然の素材をできるかぎり使用するように心がけております。
文明開化当時の庶民が味わったコロッケが、弊社のコロッケの味にひょっとしたら近いのかもしれませんね。
美味しくてかつ安心してお召し上がりいただき、皆様の健康に寄与できるコロッケ作りをこれからも続けていきたいと思っております。